囲碁関係の俳句、短歌、随筆等
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随 筆
十九路のひとり言
すこし前に、近所の愛碁仲間をさそって、拙宅で囲碁サロンを始めました。当初は三人でしたが見る間に仲間が増え、七人になりました。そこで会に名称があった方が良い、ということになり、みんなで考える事にしたのですが、中々良い名前が浮かびません。ふと思いつき、今話題のAIに提案をさせたところ、囲碁にまつわる多くのエピソードが紹介され、囲碁の呼び方が、これまた沢山あることを知りました。
その中のあまり知られていない言い方を抜き出してみました。
「忘憂」~ボウュウ・憂いを忘れる程に没頭できる。 「座隠」~ザイン・座ったまま俗世を離れ、隠者の境地に入る。 「橘中之楽」~キッチュウノラク・大きな蜜柑の中で二人の老人が楽しそうに碁を打っていた、 という伝説 「方円」~ホウエン・盤の四角い宇宙の方と石の丸の円を表す。 「烏鷺」~ウロ・黒いカラスと白いサギ。 「玄素」~ゲンソ・玄は黒。 素は白。 「木野狐」~キヅネ・一度ハマると抜け出せない魔力がある。 「爛柯」~ランカ・囲碁に夢中になり斧の柄が腐るほど時間が過ぎていた。 これなどは囲碁の魅力を極限に拡げていて、白髪三千丈、の類ですかね。
あらめて囲碁の深さ面白さを知って、ますます会名が決まらなくなりました。困りました。
2026.03 安倍成男
俳 句
亀鳴くや思案尽くした石を置く 安倍摺石
白梅や友の遺盤に枝そえて 安倍摺石
詰碁集増えて病室春近し 安倍摺石
春宵や碁敵きぼやく酒美味し 安倍摺石
春の宵うつつの中でハメ手決め 安倍摺石
鶯や決め手の石をそっと置き 安倍摺石
珍しや友の長考バナナ剥く 安倍摺石
姫と打つ蛍舞う夜か白き貝 安倍摺石
喜雨に濡る碁敵の待つ道急ぐ 安倍摺石
星月夜語りて尽きぬ囲碁話し 安倍摺石
石打てば枯葉舞い落つ囲碁神社 安倍摺石
紅葉宿囲碁好き亭主と夜更けまで 安倍摺石
冬麗らスマホ碁競ひ乗り過ごし 安倍摺石
独り碁や訪う友なく年の暮れ 安倍摺石
秀策譜深きを識りて初詣 安倍摺石
初ひばり友の見舞いに詰碁集 安倍摺石
嬉しやな碁友加わる春の午後 安倍摺石
石打てば松の萌ゑ立つ寂光寺 安倍摺石
囲碁は初段二段の頃が一番面白いと聞きますが、そのさ中にある私が、時々の囲碁とのかかわりをメモしたものです。
安倍摺石
替 歌
碁打ちの舟唄(カッコ内は八代亜紀の「舟唄」)
白は日向の 貝がいい(酒はぬるめの燗がいい)
黒は熊野の 那智がいい(肴はあぶったイカがいい)
碁打ちは無口な ひとがいい(女は無口なひとがいい)
碁盤は榧で あればいい(灯りはぼんやり灯(とも)りゃいい)
静かに打てば しみじみと(しみじみ飲めばしみじみと)
囲碁の深さが にじみ出る(思い出だけが行き過ぎる)
こころを石に 込めたとき(涙がポロリとこぼれたら)
思い出すのさ
あの人(菊池康郎)を(歌い出すのさ舟唄を)
作 安倍成男